製品情報

ノバテック™HD
高密度ポリエチレン ノバテック™ HD

あらゆるニーズに対応できる高密度ポリエチレン

ノバテック™HD

自動車部品におけるノバテック™HD

ノバテック™HDは自動車産業において、従来の金属部品と比較して耐久性・形状自由度・軽量化・工程合理化の観点から、燃料タンクをはじめとした燃料系周辺部品に多くご採用頂いています。

樹脂製燃料タンク

自動車用樹脂製燃料タンクは1960年代末より欧米で採用が始まり、欧州では既に燃料タンクの90%以上が樹脂化されています。日本市場における日本ポリエチレン株式会社の燃料タンク向け高密度ポリエチレンのシェアは、9割強を誇ります。
樹脂製燃料タンクは厳しい燃料透過規制に適合するため、EVOH等のバリア樹脂層を設けた多層構成となっています。成形性・物性に優れた高密度ポリエチレン層とバリア樹脂層との接着のためバインダーとして接着樹脂層が設けられておりますが、日本ポリエチレン㈱ではタンクシェル材料としての高密度ポリエチレンおよび接着樹脂の両方を提供しています。

樹脂製燃料タンク 表
樹脂製燃料タンク イメージ

樹脂製燃料タンクシェル用材料

燃料タンクは自動車の重要保安部品であり、タンクシェル用のHDPEには高い耐衝撃性、長期耐久性が必要とされます。併せて燃料系部品であることから耐燃料油性が求められますが、ノバテック™HD HB111Rは、アルコール含有燃料を含め長期における耐燃料油性に優れています。またHB111RはPhillipsプロセス製造品であり、HDPEの主流な製造法であるZieglerプロセス品と異なり長鎖分岐を有する特徴があります。この特徴により、ブロー成形時のパリソンの垂れ下がりを防止する耐ドローダウン性に優れています。

ノバテック™HD HB212Rは、燃料タンクの更なる薄肉軽量化を実現するため開発された高剛性グレードです。高性能なPhillips触媒の開発および材料設計と製造技術の最適化により、互いに背反する剛性と耐久性と成形性の連立を達成しました。HB212Rの使用により、タンクシェル本体重量で5~6%の軽量化を実現しています。

推奨銘柄:HB111R、HB212R

樹脂製燃料タンクシェル用材料 グラフ1
樹脂製燃料タンクシェル用材料 グラフ2

溶着部品

カットオフバルブやフィラーロアなどの部品は射出成形され、樹脂製燃料タンク本体に溶着されます。

溶着部品 構造図
溶着部品 イメージ

溶着部品用材料

燃料タンク向けの射出成形溶着部品には、タンクシェルと同等の高い性能が要求されます。タンクシェル本体材料(HB111R等)は高粘度で成形が難しく、一般的な射出成形用HDPEは流動性に優れる反面、耐久性・耐衝撃性に劣るため、溶着部品として推奨できません。
ノバテック™HD HJ221は、高い耐久性・耐衝撃性・流動性をバランス化させた、燃料タンク向け溶着部品用材料です。日本をはじめとして欧米でも幅広い車種に採用されています。

推奨銘柄:HJ221

溶着部品用材料 グラフ

樹脂製フィラーパイプ

給油口から燃料タンクに燃料を輸送するフィラーパイプの樹脂化は金属製比較で40~50%の軽量化が可能であり、軽量化効果から鋭意開発が行われています。

溶着部品用材料

樹脂製フィラーパイプは3次元ブローやコルゲート押出によって成形されます。ブロー成形では耐ドローダウン性が、押出成形では粘度の低い樹脂が求められますが、日本ポリエチレンでは成形法に応じたグレードを取り揃えています。

推奨銘柄:HE122R

ノバテック™ HDPE

HB111R・HB212R・HJ221・HE122R グレード紹介

物性 単位 HB111R HB212R HJ221 HE122R Method
用途 PFT PFT 射出部品 フィラーパイプ
MFR (21.6kg) g/10min 6 5 13 20 ISO 1133
密度 g/cm3 0.945 0.948 0.949 0.938 ISO 1183
引張降伏強度 MPa 24 26 26 19 ISO 527
引張破断伸度 % > 400 > 400 > 400 > 400 ISO 527
曲げ弾性率 MPa 900 1100 1000 700 JPE Method
(DSC)
シャルピー衝撃強度 kJ/m2 破壊せず 破壊せず 破壊せず 20 ISO 8256
FNCT Hr 80 60 > 300 > 300 JPE法
特徵 高耐久 高剛性 高耐久
高衝擊
高流動

接着性樹脂 (アドテックス™)

燃料タンクシェル用の接着樹脂には、燃料バリア樹脂であるEVOHとの高い接着性が求められます。接着性樹脂アドテックス™は、ベースとなるポリエチレン樹脂の主鎖に無水マレイン酸をグラフト変性によって導入しており、グラフト変性された無水マレイン酸部位がEVOH官能基と結合して接着性を発現します。
また、近年の耐燃料透過規制への対応のため、耐燃料透過性に優れたポリアミドなどの樹脂との2色成形による溶着部品にも使用されています。

アドテックス™の分子構造
アドテックス™の分子構造
アドテックス™を用いた2色成形部品
アドテックス™を用いた2色成形部品

アドテックス™

FT61AR3・FT71A・DH1203 グレード紹介

物性 単位 FT61AR3 FT71A DH1203 Method
用途 PFT
溶着部品
PFT 溶着部品
MFR g/10min 0.5 0.7 0.4 ISO 1133
密度 g/cm3 0.933 0.924 0.940 ISO 1183
引張降伏強度 MPa 16 12 20 ISO 527
引張破断伸度 % 900 920 810 ISO 527
融点 °C 129 124 129 JPE Method
(DSC)
引張衝擊強度 -40°C kJ/m2 180 180 170 ISO 8256
燃料透過係数 g.mm/
m2.day
1,600 3,200 900 JPE Method
特徵 高接着 世界供給体制 高耐久
高衝擊

CONTACTお問い合わせ

お仕事のご依頼・ご相談はお気軽にご相談ください。
お客様に最適なソリューションをご提案いたします。