SUSTAINABILITYサステナビリティ

ポリエチレンの深化とともに環境負荷低減を推進し、
サステナブルな社会と地球の発展に貢献します。

サステナビリティ

日本ポリエチレンのソリューション

日本ポリエチレンの各種コア技術を活用して世に送り出したポリエチレンが、環境負荷低減に貢献する製品に採用され活躍しています。
お客様と共にこれからのサステナブルな社会の実現に貢献すべく、ソリューションを引き続き提供していきます。

自動車部品の樹脂化によるCO2排出量削減

近年、環境対策(二酸化炭素削減)の取り組みにおいて、自動車の燃費向上が求められており、樹脂製燃料タンク(Plastic Fuel Tank)は鋼製タンクに比較して軽量であることに加え、ハイブリッド車の増加に伴うプラットフォームの複雑化の面でも形状の自由度に勝るため採用が拡大しています。
燃料タンク用ポリエチレンに求められる性能は、耐衝撃性、耐久性、 (低)燃料抽出性等、非常に厳しいものですが、当社ではこれまで培ってきた技術を活用し、更なる軽量化のための新たなコンセプトの製品開発を積極的に推進し、10年前と比較して10%以上の軽量化を達成しました。今後も環境負荷低減に寄与できる製品の提供を続けて参ります。
また、燃料タンクの周辺部品の樹脂化も進んでおり、給油口から燃料タンクに燃料を輸送するフィラーパイプの樹脂化は、金属製比較で40~50%の軽量化が可能であり、搭載車種が増えています。
フィラーパイプ用ポリエチレンには前述した燃料タンク向けの性能に加えて導電性が求められます。当社ではフィラーパイプ向けに最適化した材料の更なる開発を積極的に推進し、環境負荷低減に寄与できる製品の提供を続けて参ります。

ポリエチレン製多層燃料タンク
ポリエチレン製多層燃料タンク
提供:株式会社FTS様(車種「プリウス™」)
ポリエチレン製多層フィラーパイプ
ポリエチレン製多層フィラーパイプ
提供:豊田合成株式会社様

低炭素社会の実現に貢献する製品の展開

20kg型容器重量比較 重量:約60%
LPガス複合容器と鋼製LPガス容器の比較
提供:中国工業株式会社様

液化石油ガス(LPガス)は燃焼時の二酸化炭素の排出が比較的少ないため、低炭素社会の実現に貢献できるエネルギーと位置付けられています。しかしながら、その容器は従来は鋼製であり、重量やガス残量が確認できないといった問題がありました。そこで、樹脂とガラス繊維からなる複合容器が開発されて、容器の軽量化や残量把握による交換頻度の削減が可能となり、作業負担の軽減、輸送時の二酸化炭素削減に貢献することができるようになりました。
LPガス複合容器は2015年に7.5kg型が、2020年に20kg型容器が発売されており、現在使用が広まりつつあります。

コンポジット容器の特徴 軽い, 見える, 錆びない, 美的
LPガス複合容器の構成
提供:中国工業株式会社様

LPガス複合容器はポリエチレン製のライナーにガラス繊維を巻き付けた圧力容器と、容器保護を目的としたポリエチレン製のケーシングから構成されています。当社は、容器の要求耐用年数に応じた高い耐久性が必要とされるライナー部材や、複雑な意匠に対応できる高い成形性と容器を十分に保護できる高い耐衝撃性が求められるケーシング部材に適した製品を有しており、中国工業株式会社様のLPガス複合容器であるPLACOMPO™ にご使用いただいています。
当社では今後も低炭素社会の実現に貢献できるように製品の開発、及び提供を続けて参ります。

環境配慮型包材向け製品の開発

環境配慮型包材例
環境配慮型包材例
提供:味の素株式会社様(製品名「ほんだし」)

食品の容器や包装には、内容物を保護するという重要な役割があります。そして、開封のし易さや賞味期限の長期化による食品廃棄物の削減など、より使いやすく、より無駄なく、より環境にやさしい容器包装を目指し、日々進化を続けています。
近年、環境と経済の両立を図るため、3R(Reduce|リデュース:廃棄物の発生抑制、Reuse|リユース:再使用、Recycle|リサイクル:再資源化)の取り組みが進められています。

環境配慮型包材例
環境配慮型包材例
樹脂層の薄肉化により、包材の識別マーク表示が
「プラ」から「紙」へ変更

当社は、廃棄物に対する課題の中でも特に重要な、Reduce(リデュース:廃棄物の発生抑制)を実現できる材料の開発に取り組み、従来の内容物保護性、開封性を維持しつつ、包材の薄肉化に貢献可能な製品を提供しています。
当社は、これまで培ってきた技術を駆使し、今後も環境負荷低減に寄与できる製品の提供を続けて参ります。

バイオポリエチレンを使用した製品の開発

ノバテック™HD HB330EBP 採用事例
ノバテック™HD HB330EBP 採用事例
花王株式会社様キュキュット(1,250ml)

近年地球温暖化が進んだことにより、気候変動に付随する災害が増え、大きな社会問題となっています。そこで、温暖化を引き起こす温室効果ガスの1つである二酸化炭素の発生量を削減することが求められており、その対策として植物由来の材料を使用することが進められています。
植物を原料としたポリエチレンは、原料植物が成長時に大気中の二酸化炭素を吸収するため、製品のライフサイクルを通して地球温暖化への影響が小さく、環境にやさしいプラスチック材料です。また、有限な化石資源の消費削減に貢献することができます。
当社は植物由来のエタノールを原料としたバイオポリエチレンを配合したノバテック™HD HB330EBPを開発し、花王株式会社様の食器用洗剤製品キュキュット(1,250ml)の詰め替え容器にご採用いただきました。また、ノバテック™HD HB330EBPはバイオマスプラスチック度31%のポリエチレンとして、日本バイオプラスチック協会のバイオマスプラポジティブリストに登録されています。

PE/PA多層フィルムのマテリアルリサイクル用相溶化剤の開発

ポリエチレンは食品包材などで多く使用されていますが、その際酸素などからのバリア性を付与するためにEVOHやポリアミドなどと多層化されています。しかしポリエチレンとEVOHやポリアミドは混ざりが悪く、これら複合多層製品をリサイクルすると、透明性や外観、強度などが低下してしまうため、再利用ができずに廃棄されるケースが多くあります。
このような問題を解決すべく、ポリエチレンとEVOHやポリアミドの混ざり性を改良する相溶化剤を開発しました。リサイクル時にこの相溶化剤を添加することにより、バリア材の分散を改善することができます。これによりフィルムの透明性を向上させることが可能となり、さらには引張特性や耐衝撃性、引裂強度などの各種フィルム物性も改良することができるため、実用的なフィルム成形樹脂として再利用することが可能になります。

相溶化剤の効果でPAを微分散透明性を向上させる

研究開発・販売活動への私の想い

環境配慮型ポリエチレンで循環型社会に取り組む

私は、洗剤や食品用に用いられる小型の中空容器向け新規ポリエチレンの開発を担当しています。ポリエチレンは薬品に対する耐性が高く、長期保管を行う容器用途に幅広く用いられています。その一方で、石油由来資源の消費や廃棄プラごみ問題といった観点からはまだまだ解決すべき課題が多く、循環型社会に貢献するために“地球にやさしい材料”へと進化させることがポリエチレンメーカーとしての我々の使命だと思っております。

中空容器の分野においては、石油由来資源削減のため植物由来ポリエチレンを用いた素材(ノバテックHB330EBP)や、触媒技術・プロセス技術・樹脂設計の最適化で、薄肉化しても従来材と同等の耐久性を保つ素材(ハイフォテックシリーズ)を開発しております。

社会全体の動向をキャッチアップし、そしてお客様のニーズに的確かつタイムリーに応じる環境配慮型商品の開発に、これからも力を入れていきます。

冨田 皓太
研究開発部 4グループ
冨田 皓太

いまだ大きなポテンシャルを持った素材

人事部門から営業に異動となって1年以上が経ちました。ポリエチレンとは何かからスタートし、初めての担当先訪問、折衝などこれまで経験したことのない内容の連続でしたが、素材メーカーを志した入社前の気持ちが蘇ったりしながら、新鮮でやりがいのある毎日を過ごしています。

少し感覚的な話になってしまいますが、営業の人間として、まずポリエチレンという素材を素直に好きだと感じられるのが良かったです。あらゆる製品に使用され、日々の暮らしに欠かせないリーズナブルな樹脂って数限られると思いませんか?時に汎用樹脂という言い方をされることもあるかもしれませんが、それは一種の勲章として受け止めても良いのではないかと思います。社員皆で、まずは暮らしの基盤を支えているポリエチレンを扱っていることを誇りに思いたいです。

その上で、営業として取り組みたいのは、日々の営業活動を通じて、ポリエチレンの価値を時代に合わせてアップデートしていくことです。今後ますます厳しい環境対応を迫られていく時代になる中で、ポリエチレンがケミカルリサイクルなど環境面においてもリーズナブルな樹脂であるとまず我々の中で認識を持つこと。

日本で初めてポリエチレンが製造されてから60年超が経ちますが、利用価値という意味では、いまだ大きなポテンシャルを持った素材だと思います。販売価格が原油市況に左右される難しい側面もあると肌身で感じてはいますが、お客様自身のポリエチレンに対する価値観をアップデートできないかと常日頃意識しながら、私はお客様と向き合うように心がけています。

野口 雄介
包装資材営業本部 フィルムグループ
野口 雄介

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